6歳・8歳の息子を持つママライター、永野栄里子です。
難しい単元や問題を理解するには、低学年からの学習の積み重ねが重要です。小学1年生から遊びを通した学びを取り入れると、学年が上がってもつまずきにくい力を楽しく身につけられます。
今回は、小学1年生におすすめの算数ゲームを紹介します。アプリや電子機器なしでできる算数ゲームに加え、家庭学習の方法にも触れていますので、ぜひ参考にしてください。
【小学1年生の算数】学習内容やポイントは?
小学1年生の算数は、10までの数を習うところから始まります。詳しい内容や、小学1年生で押さえておきたい学習ポイントを確認しましょう。
1年生の算数で学ぶこと
小学1年生の算数で習う内容は、大きく3つです。
・10までの数のたし算・ひき算
・10より大きい数のたし算・ひき算
・時計
入学すると10までの数を習ったのち、10までのたし算・ひき算をマスターします。その後、20まで、100までと10より大きい数について学習し、「4+8」「13-7」など、10以上のたし算・ひき算にも挑戦します。
時計の読み方を習うのも、小学1年生です。
2年生になるとたし算・ひき算は2ケタのひっ算にレベルアップし、2学期からは九九も始まるので、1年生のうちに基礎を固めることが重要です。
算数が苦手にならないための学習ポイント
10までのたし算・ひき算までは、あまり苦労しないものの、くり上がりやくり下がりが入ってくると、計算がスムーズにできなくなるケースは少なくありません。また、単に計算式が示された問題なら解けるのに、文章題になると求められている回答がわからなくなる場合もあります。
小学1年生の算数でつまずいてしまうと、その後学習が進んでいったときに苦手意識が先行し、ついていけなくなるかもしれません。
くり上がり・くり下がりを最大の難関だと捉え、「10」の分解に迷わなくなるようなゲームに取り組むとよいでしょう。
参考:単元一覧表(https://gakuto.co.jp/docs/download/pdf/2020_sansu_tangen.pdf)
小学1年生の家庭学習は何をしたらいい?おすすめの勉強方法についてご紹介(https://prizero.jp/media/study/2163/)
【小学1年生の算数】紙などを使ってできる簡単ゲーム
ここからは、小学1年生の学習内容を定着させるのにおすすめの算数ゲームを紹介します。紙や時計の模型、トランプなどを使ってできる簡単なゲームには、次のようなものがあります。
計算しりとり
計算しりとりは、たし算とひき算でしりとりをしていくものです。
(1)最初の数を決める(例:1)
(2)1人がつながる式を作る(例:1+4)
(3)次の人が答えと、つながる式を作る(例:(1+4の答えで)5(次の式として)-2)
(4) (2)(3)を繰り返す
「1+4 → 5-2 → 3+6 → 9-7 → 2+6 → 8+1 → 9-3→…」のようにつなげていきます。
習った範囲に合わせて「10までの数」「20までの数」などのルールを設け、数がオーバーしないよう考えながら取り組むのも楽しいでしょう。2人でもできますし、人数を増やしても遊べます。
カードでたし算・ひき算
数を書いた紙を使った、たし算・ひき算の算数ゲームも計算力アップにつながります。
(1)「0」から「9」までの数のカードを2セット作る
(2)(1)で作ったカードを1セットずつ持ち、「せーの」で1枚ずつカードを出す
(3)出したカードの合計を先に答えた人が勝ち
上記の方法だとたし算しかできませんが、「0~20までのカードを作り、1人が0~10、もう1人が11~20までを持って、出した数をひき算する」など、カードを増やしたり持ち方を工夫したりすれば、ひき算や大きな数の計算の練習にもなります。
トランプを使っても、1から13までの数のたし算・ひき算の練習ができますし、カードを作る手間が省けるのでおすすめです。
時計で競争
時間の学習では、まず「〇時」「〇時半」を習います。ここまで習うと、時計を使った競争ゲームができます。
(1)時計の模型を2つ用意する
(2)スタートの時刻を決める
(3)じゃんけんをして、勝ったら自分の針を1時間進める。負けたら30分進める
(4)進めた時刻が何時かを声に出していう
(5)(3)(4)を繰り返し、先に12時に到達したら勝ち
時計の模型は「算数セット」に入っていますし、100均などでも購入可能です。時刻を声に出すことで、時計の読み方への理解が深まります。
2人でやるとスムーズですが、3人以上でも「最初に勝ったら1時間、次の人は30分、負けた人は進めない」など、工夫すれば遊べます。また、細かな時刻を習ったら、「勝ったら5分進めて、負けたら2分戻る。1時間後の時刻に先に到達したほうが勝ち」など、ルールを変えても楽しいでしょう。
計算神経衰弱
トランプの定番「神経衰弱」も、ルールを変えると算数ゲームに早変わりします。
(1)1から9までの数字のカードのみ、裏返しにして並べる
(2)カードをめくる順番を決める
(3)カードを2枚ずつめくる
(4)「足して10」の組み合わせができたら、自分のものにして再度2枚めくる。「足して10」にならない場合は裏向きに戻して順番を交代する
(5)(3)(4)を繰り返し、カードを多く取った人が勝ち
同じカードをそろえるのではなく、「10になる組み合わせをつくる」ことで算数力をアップさせます。大きな数も習ったら、「たして11になる組み合わせ」などを考えるのもおすすめです。
参考:小学1年生が楽しく学べる算数の学習ゲーム4種(https://kyoiku.sho.jp/67020/)
楽しく遊んで算数に触れられる!トランプで「10つくり神経衰弱」(https://magazine.mathchannel.jp/play-materials-crafts/173/)
【小学1年生の算数】スマホでおすすめのアプリゲームは?
スマホやタブレットのアプリにも、小学1年生向けの算数ゲームはあります。アプリを使う場合は、プレイ時間や使い方などのルールを事前に決め、視力低下やスマホ・ゲーム依存などの心配がないようにしましょう。
おすすめの算数ゲームは、4つです。
トドさんすう
アメリカでは学校の教材にもなっている「トドさんすう」は、小学2年生までが対象の算数ゲームです。700種類以上のアクティビティで、数字や計算を楽しく学べます。
イラストがポップで、子どもが食いつきやすいのも「トドさんすう」の特徴です。無料版でもじゅうぶん遊べますが、有料版にするとすべてのアクティビティをプレイできますし、保護者が学習時間や内容を管理できる機能も使えるようになります。
ビノバ
「ビノバ」は、算数の問題を解いてモンスターを集めていくアプリです。「モンスターを集める」という強めのゲーム要素があり、夢中になって問題に取り組めます。
たし算・ひき算の問題をこなせばこなすほどモンスターを集められるので、コレクション目的でプレイする子どもも多いようです。計算は問題をこなすほど力がつくので、遊びながら自然に算数力アップが期待できるでしょう。
算数であそぼう!
「算数であそぼう!」は、たし算・ひき算の答えを3択で答えるアプリゲームです。演出などもなくシンプルな作りなので、「ビノバ」のようなゲーム要素や、「トドさんすう」のように視覚に訴える部分は少ないといえます。
しかし、多くの計算問題を効率よくこなすには最適ですし、正解するとレベルがどんどん上がるので、達成感は得られるでしょう。特に、「計算が速くなりたい」という子どもに向いています。
とけいのべんきょう ~いまなんず
時計の読み方を楽しく学びたい場合は、「とけいのべんきょう ~いまなんず」がおすすめです。かわいらしい動物のイラストで、時計の読み方をマスターできます。
モードは「簡単」「普通」「難しい」の3段階から選べるので、「時計の読み方が非常に苦手」という子どもも安心です。難易度を少しずつ上げていけば、苦手意識もなくなるでしょう。
参考:App Store(https://www.apple.com/jp/app-store/)
ゲームだけでなく、毎日の家庭学習で算数力を定着させよう!
机に向かってわからない問題と長時間向き合うより、ゲーム感覚で学習に取り組んだほうが自然に力が身につくこともあります。しかし、算数力の定着・向上には、日頃の学習も重要です。
宿題に+αで家庭学習を行う場合には、どのように取り組めばよいのでしょうか。
「習慣づけ」をメインにするならタブレット
算数に限らず、「勉強」の習慣づけをメインに考えるなら、タブレット学習がおすすめです。コンテンツが豊富で、動画や音声などを活用したわかりやすいテキスト・問題で、子どもの学習意欲をアップさせられます。
紙を使わないので環境にやさしく、保護者があまり関わらなくても、自主的に学習できるのもタブレットのメリットです。ただし長時間使用すると視力や姿勢に影響する可能性がありますし、タブレット端末が故障すれば学習ができないのは、デメリットだといえます。
+αの学びは紙のテキスト
学校での学習の定着・理解ができており、+αの学びを子どもに提供したい場合は、紙のテキストがよいでしょう。紙媒体はタブレットよりも目の前の問題に集中しやすく、学校のテストなどを想定して取り組めるので、成績にもよい影響を与えてくれる可能性があります。
ただし、答え合わせや解説を保護者が行わなければならず、1度記入するともう使用できないのがデメリットです。わからない問題が多いと、飽きて手をつけなくなりやすいので、「お金を払って購入(契約)したのに」となってしまうこともあるでしょう。
単元ごとの反復問題集の活用も◎
市販のテキストの種類は、年間の学習内容を幅広くカバーしているものから、1つの単元に特化したものまでさまざまです。苦手な単元がある場合には、反復問題ができる紙のテキストを活用するのも、1つの方法です。
「たし算・ひき算」の問題集は多くありますし、時計や時間に関する問題ばかりのテキストも存在します。反復学習によって理解を深めれば、苦手克服も期待できます。
ただし、似たような問題ばかりのテキストは、飽きやすいのがデメリットです。我が家も九九や100マス計算の市販のテキストを購入しましたが、だんだん飽きてやらなくなりました。もちろん、苦手なあいだは根気よく続けることも重要ですが、慣れてきたら無理に進めなくてもよいでしょう。
ちなみに、2ヵ月ほど放置されていた我が家の九九の問題集は、長男が宿題や進研ゼミの問題などをあまりにも間違えたときに、「追加課題」として1枚ずつ提供しています。久しぶりに取り組むと新鮮さもあるようなので、やりかけの問題集がある場合にはおすすめです。
小学1年生の算数は楽しいゲームも多数!日々の積み重ねで学力アップを目指そう
小学1年生の算数ゲームは、アプリだけでなく紙やトランプなどを使ってできるものもあります。ゲームを通して楽しく学べば、苦手を克服して2年生の算数の単元にも抵抗なく入っていけるのではないでしょうか。
毎日の学習時間や内容も工夫しながら、算数が得意になれるようサポートしましょう。