プールの水道代はいくら?学校と家庭の水道代の目安を解説

6歳・8歳の息子を持つママライター、永野栄里子です。

間もなく6月、学校や保育園、幼稚園などでもプール開きをする時期ではないでしょうか。最近は家庭用の大きな商品も増えており、夏休みに水遊びを楽しむケースも少なくありません。しかし、気になるのは水道代です。

今回は、プールの水道代に関する情報をお届けします。学校と家庭用の料金目安や、毎日水を交換すると起こるデメリットなどにも触れていますので、夏に向けての参考にしてください。

目次

一般的な学校のプールの大きさと水道代の目安

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まずは、学校のプールの大きさや水道代の目安を確認しましょう。25メートルプールにかかる水道代は、個人的には思ったより高くないという印象でした。

プールの大きさ

プールの大きさは学校によっても異なりますが、縦25メートル、横約12メートル、水深約1.2メートルほどが一般的です。スポーツに力を入れている学校の場合は、縦が50メートルのプールを設置していることもあり、この場合はさらに大きくなります。

プール1杯分の水の量

プールいっぱいに水を入れようと思った場合、必要な量は「縦×横×高さ」で割り出します。前述の数字を当てはめてみると「25×12×1.2」で、360㎥となります。

ちなみに1㎥は1,000リットルなので、360,000リットルもの水が必要です。想像がつきにくいかもしれませんが、日本の一般的な浴槽には、約200リットルの水が入ります。つまり、お風呂約1,800杯分。毎日浴槽にお湯を貯めるなら5年分くらいになる計算です。

プールにかかる水道代は?

プールにかかる水道代は、自治体の水道代によっても異なります。筆者が住む岐阜県を例に、見てみましょう。

市のホームページに記されている、最も高い水道料金は1㎥あたり290円です。プールには約360㎥の水が入るので、「290×360」で、プールを満たすのにかかる水道代は104,400円となります。

しかし、筆者が住む地域は浄水に力を入れており、県内でも最も水道代が高い地域といわれています。参考までに、県庁所在地である岐阜市は320㎥で47,670円。超過分は1㎥につき154円なので、「47,670+154×40」で、およそ53,830円となる計算です。

2023年には、川崎市の小学校でプールの水を数日間出しっぱなしにしたことで、市が校長と教諭に水道代金の半額にあたる95万円の支払いを求めたことがニュースとなりました。これを受け、プールの水道代は非常に高いというイメージを持っていましたが、問題は「大量の水を数日間出しっぱなしにしたこと」で、単純に1回プールに水を入れるであれば5~10万円ほどのようです。

ただし、プールの水をきれいに保つために循環させたり消毒を入れたり、給水したりと、プールを使用する期間には維持費もかかるので、費用は数万円では済まないでしょう。

意外と高額! 小学校や中学校などの一般的な大きさのプールにかかる水道料金(https://www.idopump.com/joho/learn/274.html
プールの水出しっぱなしで教員に水道代を自腹請求、問題の3つの背景(https://www.newsweekjapan.jp/reizei/2023/08/post-1323.php
岐阜市「料金表」(https://www.city.gifu.lg.jp/kurashi/suidou/1003202/1003211/1025395/1025470.html

家庭用プールにかかる水道代は?

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筆者が小学生の頃は、毎日のように開いていた学校のプールですが、時代の変化なのか、コロナ禍の影響なのか、長男が小学校1年生のときは開催されませんでした。昨年は「夏休みにプールを開放します」とお知らせがきましたが、開けてくれたのは初週の4日のみ…。

地域や学校の方針にもよりますが、「夏休みにプールに行けない」という子どもも多い印象です。

最近は、幼児用のビニールプールだけでなく、家庭用でも深さや広さのある本格的なプールが増えています。では、家庭用プールにかかる水道代はどれくらいなのでしょうか。

家庭用プールの大きさ

家庭用プールの大きさは、2歳程度の子どもが1人で遊べるくらいの小さなものから、小学校低学年の子どもが2~3人で遊べるものまでさまざまです。小さめのプールは数千円から販売されており、大きなものだと「3メートル×2メートル×0.75メートル」というものもあり、1万5,000円ほどで購入できます。

必要な水の量は?

前述の大きめのプールに必要な水の量を見てみましょう。プールに入る水の量は、「3×2×0.75」で、4.5㎥となります。1㎥は1,000リットルなので、プール1杯分の水は約4,500リットルです。

学校用プールと同様にお風呂で換算すると、およそ22日分の水が必要ということになります。

家庭用プールにかかる水道代の目安

家庭用プールも岐阜県を例に、水道代を算出してみましょう。最も高い1㎥あたり290円は、51㎥以上使用した場合なので、「11~20㎥」使用した場合の、1㎥あたり170円で計算します。

「170×4.5」で、水道代は765円です。

「安い!」と思われるかもしれませんが、これはあくまでも1杯分を指します。もし毎日新しい水を入れてプール遊びをするとすれば「4.5㎥×約30日」で、水の量は135㎥です。水道代も最も高い1㎥あたり290円となり、「290×135」、プールにかかる水道代は39,150円になります。

他の自治体ならこの半額以下、20,000円弱で済むケースが多いでしょうが、どちらにしても痛い出費になることは間違いなさそうです。

猛暑で大人気の「家庭用プール」、水道代や維持費はいくらかかる?(https://money.smt.docomo.ne.jp/column-detail/995328

プールの水を毎日取り替えるデメリット

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家庭用プールに毎日入りたい場合、もしプールの水を毎日取り替えるとさまざまなデメリットが生じます。

水道代がかかる

前述の通り、毎日1,000リットルを超える水を消費すれば、水道代が非常に高くなります。小さなプールなら数百リットルで済みますが、それでも毎日水を替えるとなると、5,000円以上は上がってしまうでしょう。

夏場はエアコンの使用で電気代も上がりやすい時期。水道代までほかの月より大幅にアップしてしまうのは、保護者にとってはつらいことではないでしょうか。

水を取り替える手間がかかる

古い水を排水し、新しい水を入れる手間がかかるのもデメリットの1つです。特に大きなプールは、なかに入っている水も大量なので、排水に時間がかかります。給水も、プールの設置場所近くにホースや水道があれば問題ないでしょうが、場所によってはバケツなどで何度も水を運ばなければなりません。

大量の水を毎日捨てるのはエコではない

数百リットルを超える水を毎日捨てるのは、環境にも配慮できていないといえます。生活用水は無限ではありません。

特に猛暑が厳しい昨今、プール遊びは子どもが暑さのなかでもできる遊びの1つです。夏休みの思い出にもなるでしょうが、毎日大量の水を捨てることになるのは、限られた資源を無駄にすることにつながる可能性があることも覚えておきましょう。

プールの水を無駄にしないための方法は?

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プールの水を無駄にしないためには、家庭でのプールの頻度を減らすのも1つの方法です。しかし、「できれば毎日楽しみたい!」と子どもが希望する場合は、水の再利用をはじめとしたさまざまな工夫も検討しましょう。

除菌剤を使う

家庭用プールに入れた水を再利用し、また清潔なプールに入るための除菌剤は、さまざまなメーカーが販売しています。粉タイプからタブレットタイプまで形も豊富で、毎日入れれば水替えをほとんどしなくても、きれいなプールに入れます。

プールの大きさや除菌剤の価格にもよりますが、1回あたりの費用は20~30円です。毎日入れれば10日ほど同じ水を使えるようなので、水道代と比べても安く済みます。また、水替えの頻度を下げられて環境にもやさしいのもポイントです。

植物の水やりに再利用

週に1~2度、またはそれ以下の頻度でしかプールを使わない場合は、入り終わってすぐに水を捨ててしまう場合もあります。ただ捨てるのはもったいないので、植物を育てている場合は水やりに再利用するのもおすすめです。

ただし、除菌剤を入れた水は花や野菜の水やりに使えないケースも多いので、詳しくは説明書を確認してください。

外掃除に使う

玄関先や駐車場などの外掃除にも、プールで使用した水を再利用できます。子どもはプール遊びを楽しみ、その水で大人はきれいな空間を維持できるのは、一石二鳥ですね。「捨てる水」だと思えば、普段は水をかけて掃除しない部分にも、惜しみなく使えるでしょう。

洗車に使う

自動車を洗うのにも、プールの水を活用できます。洗車の場合は、除菌剤を入れた水を使用しても問題ありません。洗車には多くの水が必要なので、大きめのプールに溜めた水も、無駄なく使えます。

公共のプールに行くのも選択肢の1つ!

家庭用プールは、思い立ったらすぐに入ることができ、保護者が着替えて一緒に入らなくてもよいのが魅力です。しかし、プールや除菌剤など、必要なものをそろえる費用や水道代を考えると、公共のプールのほうが安く済む場合もあります。

地域によって異なりますが、小中学生なら100~200円で入れるプールは多くあります。保護者が付き添っても、大人は500円程度。もし小学生の子ども2人と保護者1人でプールに行った場合、1回あたりの費用は700~900円です。

毎日行けば家庭用プールよりも高くついてしまいますが、週に2~3回なら、非常に高いということはありません。学年が上がり子どもだけでプールに行けるようになれば、費用はさらに抑えられます。

近所に安価に利用できるプールがある場合は、「家庭用プール」以外の選択をするのもよいのではないでしょうか。

プールの水道代は意外と高い!さまざまな工夫で財布にも地球にも優しく楽しもう

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プールの水道代は、地域によって異なります。しかし、学校のプール1杯分の水道代は、思っていたよりも高くないことがわかりました。家庭用プールも1回利用するだけなら数百円程度ですが、毎日水を替えると水道代は高くなります。

お金や手間をできるだけかけない工夫は、環境への配慮にもつながります。ベストな方法で、子どもが水遊びを楽しめる環境を用意しましょう。

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

大学・大学院にて日本語学を専攻し、修了後は日本語学校に非常勤講師として勤務。2018年よりウェブライターに転身し、さまざまなメディアで記事を手がける。2人の子を持つ「ママライター」として、日々育児に仕事に奮闘中。

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