大学生の私は、市民プールでおじさんにしつこく絡まれたことがあります。泳いでいる私の後をつけてくるおじさんが怖くて困っていましたが、さりげなく助けてくれた人のおかげで、プールに通い続けることができました。
夏休みは毎日プールへ
大学2年の夏休み、ダイエットのために毎日市民プールに通っていました。私が利用していたのは室内型の8レーンあるプール。
レーンは歩行用や足をつきながら泳ぐ初心者用、ターン有りの上級者用などに分かれています。私は25m足をつかずに泳げるけれど、ゆっくり泳ぎたい人向けの中級者レーンで泳いでいました。
声をかけてくるおじさん
毎日ひとりでひたすら泳いでいたのですが、ある日息を整えるためにプールの端に立っていたところ、50代くらいのおじさんに声をかけられたのです。
「学生さん? 毎日来てるよね」と聞かれ、距離が近いおじさんが怖かった私は
「そうですね」と素っ気ない返事をしました。おじさんは気にせず
「彼氏は?」と続けます。会話を続けたくないので
「います」と答え、会釈してすぐ泳ぎを再開しました。
25m泳いで顔を上げると、真後ろでおじさんが泳いでいたと判明。
「お先にどうぞ」と譲っても先に行ってくれず、私の真後ろばかり泳いできます。
気持ち悪いので早めに切り上げ、午後から利用していたのを午前中に変えたところ、次の日は会わずに済みました。ですが、その次の日はおじさんも午前中にやって来て、また後ろをつけられることに。
助けてくれた監視員
「監視員さんに相談しようかな」と思いつつプールから出ると、私が話しかけるより先に監視員のお兄さんに声をかけられました。
「もしかして、あのおじさんに絡まれてる?」と聞かれ、素直に頷くと
「やっぱり…」と一言。おじさんはひとりの若い女性を見つけるたびに、絡んでいるとわかりました。
ただ、通報できるレベルではなく、監視員も注意するだけだったそうです。
「回数券があるので今後も利用したいのですが、おじさんがいると怖くて」と伝えると、
「実は先日も注意したのですが… 今回は執拗につけ回しているようなので別の対策を考えますね」と言われました。
翌日、プールを利用してみると、2つあった上級者向けのレーンの1つが「特別」という表示になっていました。「なんだろう?」と思っていると、監視員のお兄さんから
「人数調整ということにして、こちらで声をかけた人だけ特別レーンで泳いでもらうことにしました」と説明が。
1つのレーンに人が集中していると普段から監視員さんが人数調整しているそうで、おじさんが女性に絡みそうになったら、女性だけ特別レーンに移動を伝えるとのことでした。
快適に泳げるように
やはり、それからもおじさんに絡まれそうになることがあったのですが、監視員のお兄さんから素早い声かけがあり、自然とレーンを移動できるように。
最初は おじさんも特別レーンに来たがりました。しかし、お兄さんが
「おじさんはこっちでお願いします」と声かけ。体格が良くて強そうなお兄さんが苦手なのか、私に絡んでいたときのような勢いはなく、おじさんは指示に従ってつまらなそうに泳いでいました。
特別レーンは若い女性しか使わないので、私は快適に泳げるようになったのです。
お兄さんが休みの日は他の監視員さんから同じ対応があり、残りの夏休みの間ずっと、安心して市民プールを利用できました。おじさんを気にせず泳ぐことができ、監視員さんたちにはとても感謝しています。
(ファンファン福岡公式ライター/水素)