令和元年のGWは長い連休でした。出産予定日は連休後。里帰り先で出産のため、夫の立ち合いは無理そうだと考えていました。しかし夜中、急に破水して…
検診では「まだまだだね~」
里帰り先で産院に通っていた私。連休に入ってすぐ、39週の妊婦検診へ。
若くいつもは少し頼りない雰囲気の担当の医師にがこの日は自信満々に
「産まれるのは、まだまだね~」と言われ、「やっぱり予定日通り、一週間後なのかな」と帰宅しました。
連休中は道も混みそうな上、産院も休日診療扱いなので、まだ産まれないと聞いて少しほっとしました。
ただ、夫は新幹線と電車で4時間かかる場所におり、連休でないと立ち会えません。少し残念でしたが、また産まれて落ち着いてから来てもらえばいいかと思っていました。
その日は平成から令和に代わった日。帰宅後は、皇居等が映るテレビを見て、改まった気分で過ごしました。
「もう産まれていいよ」と声をかけて眠りに…
眠る前に、
「令和になったからいつでも産まれていいよ」とお腹に声をかけました。
今となってはどちらでもいいことですが、当時は平成と令和のどちら産まれなのかドキドキし「どうせなら令和がいいかな」などと考えていました。
眠りにつき数時間後。トイレに行きたい感覚で目が覚め、起き上がろうとしたとき…。パチンと何かはじけたような感覚があり、じわぁっと股から水のようなものが出てきました。
「え、もしかして漏らしちゃった!?」トホホ、とトイレに向かうと、漏らしたにしては水分が多く、少し血も混ざっています。「もしかして… 破水?」夜中の2時でしたが、慌てて母を起こしに行きました。
緊張で脚が震えて…
急いで産院に電話すると
「携帯番号を教えて」と言われましたが、自分の番号がスポッと頭から抜けて、答えらないほどパニック状態。
「すぐ来て!」との指示で、母の運転で産院に向かいました。
いつも明るい母も緊張しているのか無言。私も黙っていましたが、どんどん出て来る羊水に、内心「こんなに出て大丈夫!?」と緊張で脚が震えました。
検診の結果、今日か明日に産まれるとのことで、即入院に。夫に連絡すると、
「始発で行くね!」と頼もしい返信。
昼食前には夫が汗びっしょりで到着し、
「間に合ったね!」
「お父さんに会えるように連休に産まれるんだね!」と喜びあいました。
しかし、夜になると陣痛が強くなり腰をさすってくれる夫に
「違う! もっと強く押して!!」と始発で急ぎ来てくれた感謝も忘れ、怒鳴ってしまいました。
産院で3人目に誕生
「もう我慢できません!」助産師さんに訴えると、
「この程度じゃ、まだでしょ」という感じの半笑いで一応内診してくれることに。しかし内診すると態度が一変。
「もう9センチ開いてる!」
「痛み逃し上手ですね!?」と慌ただしく分娩室に連れていかれました。痛みを我慢しすぎたみたいです…。
「生まれるのはまだ」と告げた担当の若い医者はおらず、当直はベテランの副院長。陣痛に耐えながらも「安心だ! ラッキー!」と思いました。
分娩室でしばらく頑張り、夜中に無事出産。夫も感無量の表情でした。あとで助産師さんから
「3人目の令和ベビーよ!」と聞かされ、前日と同日に産んだママさんたちと後日授乳室でねぎらいあいました。
連休中急な出産となり、休日診療代と夜間診療代フルにかかってしまいました。予定より出費が大幅に多くなり痛かったですが、夫も立ち会え、年号が変わったばかりの出産は、自分と家族にとって思い出深いものとなりました。
(ファンファン福岡公式ライター/片岡みや)