地元の夏の風物詩といえば8月後半に行われる夏祭り。たくさんの露店や花火の見物客でにぎわう「夏祭り」は子どもたちにとって大切な成長の場でもあるのです。
「お祭りは逃げないから大丈夫」
夏祭り当日の午前中から露店が並び始める商店街。その商店街への抜け道に自宅があるので、昼過ぎには露店の準備に追われる人や浴衣姿の人が通るようになり、自宅にいながら気分も少しずつ盛り上がります。 子どもたちは早い時間からそわそわ。 「あ、浴衣を着てる人が歩いてる!」などと窓から道行く人の様子を眺めたり、何度も時計を見たり落ち着きません。 「お祭りは逃げないから大丈夫」1年に1度、この日にだけ何度も繰り返される私のセリフです。
「夏祭り限定の特別お小遣い」
子どもたちが夏祭りで楽しみにしていたのが「特別お小遣い」。 小学校3年生までは1,000円、4年生から6年生までは1,500円を、この日だけの特別なお小遣いとして渡します。「特別お小遣い」で足りない分は、普段のお小遣いの貯金分でやり繰りするのがわが家のルール。意外だったのは、いくら持って行くのかを真剣に悩む姿でした。 「これじゃ少ないけど、多めに持って行ったら全部使ってしまいそう」などと呟きながら、机の上にお金を並べ考え込む姿に成長を感じました。 そんな子どもたちのお目当ては露店の「くじ」。当たる可能性が低いゲーム機やゲームソフトが当たることを信じてチャレンジします。結局持って帰ってくるものはキャラクターの文房具や100均でも買えそうな玩具などですが、それでも友達と一緒にワクワク感を楽しめた時間は何物にも代え難い思い出になったようです。
花火が呼ぶ大切なコミュニケーション
夏祭りのクライマックスは花火大会! 自宅マンションのエントランス付近が、この花火を楽しめる絶好のポジション。時間になるとマンションの住人が自然に集まって来て、みんなで夜空を見上げます。幼い頃は花火も見ずに走り回っていた子ども達も、大きくなると大人の話に加わりながら、静かに空を見上げるようになりました。 私は折り畳み式のイスと缶ビールを持ち出して、普段は挨拶する程度の方や、なかなか話す機会がないような住人の方々とも談笑しながらの花火見物。お互いの近況などをゆっくり語り合える大切なコミュニケーションの機会にもなっていました。 最近は距離感が難しいご近所付き合いですが、子どもたちはコミュニケーションを取ることの大切さも肌で感じていたと思います。
陰で支える人がいてこその夏祭り
私の住む地域の夏祭りでは、高学年になると、子どもたちと保護者は夏祭りの準備や片付けに参加。本部のテント組み立てやパイプ椅子の運搬、ゴミの分別などを町内会の人達と炎天下の中で行います。 汗だくになりながらも、すべて終わるとキンキンに冷えたジュースのご褒美。大人も子どもも大きな仕事をやり終えた一体感で、イキイキとしたとても素敵な表情になります。 「夏祭りのために働いている人がたくさんいるんだね」陰で支える人がいてこその楽しい夏祭り。裏方の仕事をした経験は、これからの人生の様々なシーンで役に立つことは間違いないでしょう。 コロナ禍で地域のお祭りも中止が相次ぐ中、せっかく受け継がれてきた地元のイベントがこのまま無くなってしまう不安も頭をよぎります。 夏の風物詩であり、子どもたちの成長の場であり、様々な人とのコミュニケーションを取れる機会でもある夏祭り。いつかまた、あの光景が見られる日が来ることを心待ちにしています。 (ファンファン福岡公式ライター/Natsuki)
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