わが家では、ゲームを禁止にしていました。娘が幼いうちは、いろいろな遊びを経験してほしいという願いと、ゲーム機を買ったらゲームばかりになるかもしれないという心配があったからです。しかし、娘が11歳になり、いざゲーム機を解禁すると、家族に思わぬメリットをもたらしました。
今までゲーム機を買わなかった理由とは
わが家でゲームを禁止していた理由の一つには、実は私も夫も子どもの頃にあまりゲームをしなかったからというのもありました。年がバレてしまうかもしれませんが、当時はまだゲーム機が珍しく、持っている友達に頼み、借りて楽しんだものです。 ですから、別にゲームが悪いとも思っていなければ、嫌いなわけでもありません。ただ、ゲームには大人でもハマればやめられなくなる魅力があるので、娘が幼いうちは外で友達と遊んだり本を読んだり、自分の世界を広げる遊びをしてほしいと思い、ゲーム機を買わずにいたのです。 周りの友達はみんな持っているし、娘も分別が付いてきたし、そろそろゲーム機を買ってもいいかなと夫と話をしたのは、娘の11歳の誕生日が近付いた頃でした。 誕生日プレゼントは、ゲーム機と娘の大好きなキャラクターのゲームソフトに決定。娘は大喜びで、誕生日が来るのを指折り数えて待っていました。 そのとき、実はもう1人、ゲーム解禁をひそかに喜んでいる人物がいたのです。
ゲーム解禁で芽生えた2人の絆
実は夫は、娘が赤ちゃんの頃は夜な夜なゲームで遊んでいたゲーム好きでした。ところが娘に物心がついてからは、自分がゲームで遊んでいたら娘もやりたがるからと、自らゲーム機を押し入れにしまい込んでいたのです。 晴れてゲーム解禁となり、いそいそと押し入れに向かった夫は懐かしそうに、愛用していたゲーム機とソフトを取り出しました。 昔、夫がハマっていたのは、勇者が戦いながら旅をするロールプレイングゲーム。ストーリー性があって面白いので、本や映画が大好きな娘も興味深そうにのぞき込んでいます。 「ちょっとやらせてみたら?」と提案すると、夫は娘にコントローラーを渡しました。 戦うのは難しいので夫の担当、娘は馬で走ったり草笛でタカを呼んだりする平和なシーンだけを担当と、2人はいつの間にか役割分担をして1人の勇者をコントロールしています。 「早く逃げないとやられるよ!」と叫ぶ娘に 「これでもがんばっとんねん!」と言い返す夫。 くっついて座って笑いながらゲームを楽しむ2人の姿に、私はうれしい驚きを感じていました。 というのは、実は娘は夫のことを苦手としていたからです。 夫はどちらかというと体育会系で、子どもは外で遊ぶべし! というタイプ。家の中で人形遊びがしたい娘とは趣味が合わず、長時間2人きりで過ごすのはお互いちょっと…という微妙な距離感でした。 そんな2人が今、ゲームを介して仲むつまじく過ごしている! 私は心の中でほくそ笑みました。だって、これならもしかして「休日に2人で留守番してもらって、私は1人で買い物…」が実現できるかもしれません。 ゲーム解禁に当たって私が娘とした約束は、 ・ゲームは1日30分 ・部屋の電気は明るく ・ブルーライトカット眼鏡をかける の3点ですが、夫と2人で遊ぶときは、時間は少々延長可ということにしています。 そして私は夫の耳元で「このゲーム、絶対最後までクリアしないようにね」と小さな声でささやいたのでした。 (ファンファン福岡公式ライター/あいちー)
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