私はイタリア人の夫と、子どもたち2人と一緒にイタリアで暮らしています。義実家は車で1時間ほどの街にあり、義母と会うのは3カ月に1度程度。イタリアでは義実家との距離が近すぎて、頭を悩ませる友人が多い中、トラブルと無縁の私はラッキーだと思っていました。あの日までは…。今回は、娘が幼稚園時代に起こった義母の仰天エピソードをご紹介します!
思慮深くクールな義母
わが家と義実家は車で1時間程度の距離。そのため、クリスマスやイースターなどを含めても、義母と会うのは1年間で数えるほどでした。
家族間での距離が限りなく近いイタリア人が多い中、義母は子どもには干渉しない主義で、付き合いは淡泊なもの。
私たち夫婦に子どもができてからは、会う回数は若干増えましたが、義母は相変わらず私にとっては、思慮深く少しクールな印象だったのです。
幼稚園からの着信! 内容に驚愕
しかし、ある日「事件」が起きてしまったのです! いつも通り娘を幼稚園に登園させたその日の午後、突然私のスマホに幼稚園から着信が。
幼稚園からの連絡はいつも決まって悪いお知らせです。発熱した、嘔吐した、転んで泣き止まないから迎えにきて欲しい… どれだろう? と思って電話に出ると、なんと不審な初老の女性が園を訪れ、娘の祖母だと名乗っていると言うのです!
私は園からの電話に
「そんなはずはない。義母は遠方に住んでいるし、突然幼稚園に押しかけるわけなどない」と答えました。
しかし、その時に夫からキャッチが入りました。
夫の用件は、
「母親から電話で幼稚園に不審者扱いされていると助けを求められた」というものだったのです!
そう、幼稚園に現れた不審な初老女性とは、紛れもない義母その人でした…。
真相とは
私は慌てて幼稚園に向かいました。
すると門の前で、用務員さんや園長と口論する義母の姿が! 義母は突然、孫娘に会いたくなり、電車とバスを乗り継いで幼稚園に来てしまったとのこと。そして、中庭で遊ぶ孫娘に向かって、大声で呼びかけ、手招きをしたそうです。
しかし、これが悲劇を引き起こします。
先生に
「この人は誰?」と聞かれ、娘はなんと
「知らない」と答えてしまったのです。
もちろん娘に悪意はありません。
娘は、義母と半年ほど会っておらず、しかも義母はばっちりメイクをしていたため、本当に知らない人だと思ったのでしょう。
祖母と主張する義母、否定する孫… 義母は危うく警察に通報されるところでした! 幼稚園は、通報する前に私に確認電話、その横で義母は夫に助けを求めた、というわけです。
傷心の義母、深まる絆
この一件で、義母はとてもショックを受けていました。幼稚園に不審者扱いされ、孫娘には知らない人だと思われたのですから当然です。
しかし、私と夫は、憔悴した義母を見て反省しました。娘が何度も義母に
「ごめんなさい」と繰り返す様子を見て、私と夫は話し合い、「義母と過ごす時間をもっと増やそう」ということになりました。
その後は、月に1回は義実家を訪問し、娘と義母が触れ合う時間を作るようにしています。
結果、娘は大のおばあちゃんっ子に。義母にとっては、けがの功名だったかもしれません。たとえ、離れた所に住んでいても、家族との付き合いは大切にしないとですね!
(ファンファン福岡公式ライター / Reimama)