生後まもなくから夜泣きや癇癪がひどく、状況の変化や音に敏感な長女。4歳になる今でこそ、医療機関に通って特性と上手に付き合っていますが、生まれた当初はずっと泣いてなかなか寝ないわが子に、手探りの日々でした。そんな状況を知らない義母に「女の子だから楽でしょう?」と決めつけられ、モヤモヤしていた話です。
とにかく寝ない! ひたすら泣いている娘
2018年、待望の第一子の長女が誕生しました。生まれてきてくれたわが子を前に、育児への理想と期待感が高まります。今思えば「母親としてこうありたい」と育児に力が入っていました。
しかし、そんな理想はすぐに打ち砕かれます。目の前の娘は、おなかを満たしても何をしてもとにかく寝ない。寝たと思ったら、俗に言う「背中スイッチ」が発動し置くことができず、ちょっとした物音で起きてしまう敏感なタイプでした。
寝不足や思い通りにいかない育児に疲れ果て、この頃の記憶はあまりありません。
「本当にみんなコレをやっているの!?」という思いが頭の中をぐるぐる駆けめぐり、ぼんやりとした違和感を抱えながら新生児期を過ごしていました。
初めてのおでかけで疑念が確信に!
そんなある日、生後3カ月前後の母子を対象にした自治体のイベントがありました。周りは同月齢の親子ばかり。ここで今までの違和感が、確信めいた思いに変わる出来事が起きたのです。
1時間というイベントの間、うちの子だけが立って抱っこし続けなければ泣いて騒いでしまう状態で、立ちっぱなしのママは私だけ…。他の子はたまに泣いたりぐずったりするものの、一時的にママが対応すれば泣き止む程度。一方で、わが子は床に寝かせようとしたり私が抱っこのまま座ろうとしたりするとまた泣き出す、の繰り返しでした。
「えっ!? なんでみんな立たなくて大丈夫なの?」と驚き、初めて他の赤ちゃんと比較する機会を得て「やっぱりうちはよく泣く子なんだ!」「何かが違う!」という確信を持ったのです。
義母からの決めつけとマウント
生後半年を迎え義実家へ娘の顔を見せにいった時のこと、思わず義母に「娘が寝ないし、よく泣いて大変」と気持ちを吐露してしまった私。
しかし義母の返事は「赤ちゃんが寝ないのなんてよくあること」「みんな辛い時期を乗り越えている」という自身の経験談。加えて「娘ちゃんは女の子だから、楽でしょう? ◯◯(夫)の時なんてもっと大変だったんだから!」と意気揚々に話し始めます。
どうやら夫も子どもの頃なかなか寝付かず、毎日のようにベビーカーや車で外に連れていき寝かしつけに苦労したようです。
「そうなんですね~、うちもなかなか寝ないんです…」と相づちを打つものの、義母は
「男の子だから泣き声も大きいし力も強くて」など、「自分の方が大変だった」というスタンスは変わりません。
義母宅をはじめ他人の家では、人見知りもありおとなしいことが多い娘。静かな様子を見ては、同じようなエピソードを聞かされ
「娘ちゃんはおとなしそうでいいわね~」と女の子を育てるのは楽というマウントを取られるので、こちらから育児の話題に触れるのはやめ、今は義母とは最小限の付き合いに留めることにしています。
育児の大変さは人それぞれ。発達障害と診断が出ている娘は、知的指数は年齢より高めに出ているので、他人からは困り事が分かりづらくもあります。見えている様子だけで決めつける義母を反面教師に「男の子だから、女の子だから」と判断せず、育児の苦労を共感しあえるようなおばあちゃんになりたいと思ったのでした。
(ファンファン福岡公式ライター/西本結喜)