待望の一軒家は、夫の実家の敷地内に建てることになりました。リビングを2階にすることで、外からの人目を気にせず過ごせると思ったのに…。今でも忘れられない出来事が起こりました。
新居は義実家の隣
義実家の敷地内に、家を建てることになりました。迷いはありましたが、他になかなか良い条件の新居が見つからず、当時の私は少し焦っていました。 長男が中学受験を控えていたため、毎日のお弁当作りに、夜遅く塾へのお迎え。次男は体が弱く、毎日のように病院へ。夫はいつも深夜帰りで、土日も仕事だと言って家にはいない…。そんなワンオペ育児の合間に、一人で不動産屋さんを回るのに、私は疲れてしまっていました。 当初、義実家の庭が新居の候補にあがった時は、「家を立てるには狭すぎるのでは?」と思っていましたが、実際に住宅メーカーに設計をお願いしてみたところ、結構素敵な家が建つことが分かったのです。 南に面しており、三方が道路に囲まれているため、日当たりも風通しも良好。これ以上の条件の家を見つけるのは難しいと思いました。道路に面していて、1階部分は外からの目が気になりますが、それはリビングを2階にすることでクリア出来ると考えました。
隣の家から、覗いていた義母…
それでも、なんとか出来上がった家は、想像以上! 風通しも日当たりも良く、とても明るい家でした。ところが、日当たりの良さを生かそうと窓を沢山付けたことで、大量のカーテンが必要になってしまったのです。 ほとんどの部屋は窓が三方にあります。その結果、窓の数は30以上! 全ての窓にカーテンをつける予算がなくなってしまい、外から見える窓以外は、後から付ければ良いか…という判断になりました。 引っ越しが落ち着き、長男の中学受験も終わり、新しい家にも慣れてきたある日。リビングのソファーに座って、ふと、向かいの窓に目をやると…。 「え…?」 なんと、そこには、隣の家の窓から無表情でこちらを覗いている義母の顔。 新居は三方が道路。一箇所だけ道路に面していない面は、義実家に面しています。そちらはどうせ壁だから…と、カーテンを付けていませんでした。 ところがリビングの端に付けた小さな窓は、義実家の階段脇の窓と同じ高さだということに、その時まで気づかなかったのです。
いつから見ていたの? 今までも見ていた?
見られていると分かっていたのと、気づかずに見られていたのでは全然違います。誰にも見られているとは思わなかった私は、お風呂上がり裸で歩いていたかも知れないし、朝はパジャマ姿で、ボサボサの髪で走り回っていたはずです。 あまりのことに呆然とし、その後、慌ててカーテンで窓を塞ぎました。窓から、わが家のリビングが見えることに気付いていたなら、教えてくれれば良かったのに…。黙って見ていたなんて…。 けれど気が付くと、その窓のカーテンが開けられています。犯人は義母のようでした。私の留守中に、義母が来ていた後に限って、カーテンが開いていたからです。 その後、何かあった時のためにと義母に預けたわが家の鍵は、返して貰いました。こればかりは、二人の息子と三人がかりで猛抗議したのです。けれども、今でも、無表情でこちらを見ていた義母を見た時の衝撃だけは忘れることができません。 (ファンファン福岡公式ライター/Kitakitune)
義母に合鍵を渡したら黙って家に入ってくるように…それを撃退した秘策とは?