わが家の幼稚園年長の娘。初めての芋掘り体験で、たくさんのじゃがいもを持ち帰ってきました。さぞかし楽しかったことだろうと思い、娘に感想を尋ねますが、口をつぐんで話したくない様子。一体何があったのでしょうか?
初めての芋掘り
娘は年長になって転園しました。新しい園では芋掘り体験があると聞いて、娘はとても楽しみにしていたようです。大きなリュックサックとビニール袋の持参を指示され、たくさんのじゃがいもを持ち帰るイメージが出来ている様子。
そして当日。朝は
「ママ、楽しみにしててね!」と元気に登園バスに乗り込みます。私も笑顔で送り出し、帰りのバスを心待ちにしていました。
定刻通りに降園のバスから降りてくる娘。背中には大きく膨れ上がったリュックサック。想像以上に大量です! それを見た私は、さぞ楽しかっただろうと思い感想を尋ねたのですが…。
てっきり、今日の思い出を話してくれると思ったのに、顔をそむけてしまい、何も話してくれません。時間を置いて話を聞こうとしても自分ですぐに話題を変え、触れて欲しくない様子…。得意げに出発したあの笑顔はどこに行ってしまったのか、何も話してくれないのでその時はわかりませんでした。
個人面談で聞いてみた
それから数日後にあった先生と保護者の個人面談。わが家は転園したばかりなので、園の生活や、お友だちとの様子などをもちろん聞きました。
しかし、私は芋掘り体験のことが気になって仕方がなかったのです。「隣の子と取り合いになった?」「まさか芋の投げ合いでもしたの?」
言いたくない程、何が嫌だったのか聞きたくて、感謝を述べてから、
「娘が何も語ってくれない、何かあったのか」と先生に尋ねました。
すると先生は笑いながら教えてくれたのです。
「○○ちゃん、実は1つも掘っていません。持ち帰ったじゃがいもは全部私が掘ったんですよ! お芋掘りは初めてだから、ちゃんと説明したんですよ。でも怖がってしまって」と。何に恐怖を感じたのかというと…。
先生の一言で真相判明!
それは、虫でした!
土の中からはミミズ、カミキリムシ、ムカデなど、出るわ出るわ見たこともない虫たち。そういえば遠目に見ても悲鳴をあげるくらい、娘は虫が大の苦手でした。
じゃがいもを掘ろうとすると、虫も次々に出てきてしまい、娘には恐怖でしかなかったようです。結局、呆然と立ち尽くす娘は、先生が掘ったじゃがいもを拾って袋に入れただけだったのです。
娘の気持ち
面談が終わった後、娘にそれとなく尋ねると、言えなかった思いがぶわーっと溢れてきたようで、とめどなく話しました。
わんわん大泣きしながら、1つも掘れなかったこと、虫が怖かったこと、本当は掘りたかったこと…、順序なんてバラバラでしたが、あの日言えなかった気持ちを吐き出したのです。
娘にとっては悪感情でしょうが、私は号泣する娘を抱き寄せながらホッとしました。
「芋掘り体験ではなくて、芋拾い体験だね」なんて言いながら。
気持ちを整理できた娘は、手作りポテトチップスを指し
「このお芋は私がとってきたんだよ!」と鼻を高くしていました。やっと娘に笑顔と自信が戻り、ひと安心。言い方は生意気ですが、感情に正直で本当に可愛い子だな、と思います。
虫への苦手意識については、私も配慮が足りなかったと反省。いきなり本物の虫は怖がるので、絵本を読みながら
「土の中にも生き物がいて、役割りがあるんだよ」と聞かせることにしました。次に何かあれば、怖いだけで終わらず、ちゃんと体験できるように願っています。
(ファンファン福岡公式ライター/kaeru)