出産して赤ちゃんと一心同体だった妊婦生活を終えると、いよいよ母親としての生活がスタート! 喜びで胸が膨らみますよね。でも出産後の空っぽになった自分のおなかを見て、私はどこか寂しい気持ちになってしまいました。そんな産後の複雑な心境をお話したいと思います。
35歳で初めて妊娠を経験した私。自分のおなかに小さな命が宿っていることが、まるで信じられないような奇跡に感じられ、この妊娠期間を目いっぱい味わい尽くそうと心に決めていました。 まだ妊娠初期のころから毎日のように自分のおなかに話しかけ、それに応えるように日々大きくなる赤ちゃんがいとおしくてたまりません。「妊婦って、大変だけど最高に幸せ」。そんな風に思っていた私でしたが、思っていたよりも早く出産の日は訪れました。 予定よりも1カ月以上早く陣痛が始まったかと思うと、そのまま4時間足らずでのスピード出産。あっという間でしたが、出産直後にかつてない感動を味わった私は、その日一日中、不思議な高揚感に包まれていました。 ところが出産後自分の部屋に戻り、入り口の鏡に自分の姿が映った瞬間、私は言いようのない喪失感に襲われたのです。 妊娠中、大きくせり出すようにして赤ちゃんの存在を主張していた私のおなか。それは出産とともにしぼんでしまい、私と赤ちゃんが、もう一心同体ではないことを物語っています。 「ああ、もうここに赤ちゃんはいないんだ…」
念願だった赤ちゃんと対面して、これからは家族3人での人生がスタートしていく。そんな幸せの絶頂にいるはずなのに、どこか寂しい気持ちがぬぐえず、涙が出てしまったのでした。 出産の直前までは赤ちゃんと常に一体でいられたのに、一度出産してしまうともう元には戻れない。当たり前ですが、それがうまく受け入れられていなかったのかもしれません。初めての妊娠で、私にとって妊娠期間というものがとても特別だったから、余計そんな風に寂しさを感じてしまった節もあると思います。 でも、幸いその喪失感は長くは続きませんでした。赤ちゃんの世話が本格的に始まり、精神的にも肉体的にも余裕のない生活になると、だんだんと寂しさも薄れていったのです。 妊娠中は「おなかが大きい=赤ちゃんが順調に成長している」と大きなおなかに安心感や満足感のあった私ですが、目の前で日々成長する赤ちゃんの姿を眺めること以上の充足感はない! と次第に捉え方が変わっていったことも一因だと思います。 妊婦から母親になるという過程で、この喪失感は多くの方が感じる感覚なのだそうです。幸せなのになぜ寂しいんだろう? と不思議ですよね。 こういった気持ちは、体内で出産前後にホルモンが大きく変化することが原因であるとも言われているそうです。自然と治まるケースが多いそうですが、もし寂しさが抑えられず、不安な気持ちが続くようであれば、身近な人に素直に気持ちを話してサポートしてもらってくださいね。 (ファンファン福岡一般ライター)
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